結婚指輪はどっちの手につける?国や文化による違い
この記事を監修したひと
ついぶ東京工房・店長
- ▶ ついぶ東京工房現店長
- ▶ 貴金属装身具制作技能士1級
- ▶ ジュエリーの専門学校ヒコ・みづのジュエリーカレッジ卒
東京工房工房現店長でついぶ彫金教室のインストラクターもさせていただいております。
学生時代も合わせて15年以上ジュエリー制作に携わっています。
話し方のせいなのかテンション低めだと良く思われますが、
実はおしゃべりで、制作中のお客様との他愛のない会話が好きです。
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1. プロローグ:なぜ“左手薬指”が定番なの?
結婚指輪を「左手の薬指につける」という習慣は、日本でもごく一般的になっています。多くのカップルが結婚式や婚約の際に自然と手を伸ばすその指――なぜわざわざ“左手”で、“薬指”なのでしょうか?そして、実は国や文化によっては“右手派”も少なくありません。
今回のブログでは、まず「どうして左手薬指?」という根本の疑問から出発し、この習慣にはどのような意味や背景があるのかをさぐってみましょう。古代のローマやエジプトにさかのぼる伝説、「左手薬指には心臓につながる特別な血管がある」といった説なども、現在では医学的には否定されていますが、そのロマンティックな語り口が広く人々の心をとらえてきたのです。
まず、「左手薬指につける」という文化的な選択が生まれた背景を理解することで、今日我々が当たり前のように指輪をつけるその手が、実は長い時間をかけてたくさんの人々に支持され、変化しながらも受け継がれてきたものだと気づくはずです。
「どっちの手につけるか」だけでなく、「なぜその手なのか」という問いを立てることで、指輪が単なる装飾品ではなく、それ以上の“象徴”であることを実感できます。
それでは早速次章では、左手薬指が特別とされたその意味について、もう少し深掘りしていきます。
2. 左手薬指につける理由と意味(日本・欧米など)
結婚指輪を左手の薬指につける習慣は、私たちが日常的に「当然」として受け入れているものですが、その背景には古代からの象徴的な信念と、文化・宗教・社会の変化が複雑に絡んでいます。ここでは、その由来の一端と、左手薬指に込められた意味について、日本と欧米を中心に整理していきましょう。
■ 古代からの“心臓へつながる指”という伝承
最も広く語られている説が、ラテン語で “Vena amoris(ラテン語で「愛の血管」)” と呼ばれた伝説です。これは、古代エジプトやギリシャ・ローマの伝承において、左手の第四指(いわゆる薬指)には心臓へとつながる特別な血管/神経があると信じられていたというものです。
特にローマ時代にはこの“指→心臓”の象徴が「愛の証し」「永遠の誓い」を示す根拠として使われ、そこから薬指に指輪をする習慣が広まったとされます。
現代の医学的には、特定の指だけが心臓へ直結しているという事実は確認されていません。例えば、科学記事でも「Vena amorisという血管が実在するわけではない」と述べられています。
しかし、理論としての正確性がどうであれ、この伝承が長い時間をかけて「薬指=愛」「左手=心の近く」という強いイメージを生んだのは確かです。
■ 欧米で左手薬指が定着した背景
西洋文化では、上記の伝承に加えて、キリスト教の結婚式儀礼が指輪交換の場で左手を使うケースが多く、それが習慣化しました。例えば、中世ヨーロッパでは結婚式の進行中に左手の薬指へ指輪をはめる祈祷や儀式が行われた記録があります。
また、もうひとつの実用的理由として、「右利きが多いため、左手薬指は比較的動かさない指である」「指輪をつける邪魔になりにくい」という考えも挙げられます。
そのため、英米をはじめとする欧米諸国では、左手薬指=結婚指輪という習慣が日常に定着し、今日でも一般的な慣習となっています。
■ 日本ではどうして左手になったのか?
日本では、もともと結婚指輪をつけるという習慣は明治・大正期に西洋文化の影響を受けて定着しました。日本独自の結婚儀礼には指輪交換という形式は少なかったため、比較的新しい文化と言えます。
それでも「左手薬指につける」という西洋由来のスタイルが受け入れられた背景には、上述の「愛の血管伝説」や「心に近い手」という象徴性、さらには洋装文化の普及や雑誌・広告メディアが指輪のイメージを定着させたことも影響しています。
なお、近年ではライフスタイルの多様化により「右手につける」「指輪をつけない」などの選択も増えており、必ず左手でなければならないという固定観念はやや緩やかになっています。
■ 左手薬指に指輪をつける意味
1.心の近くに誓いを置く
“左手=心臓に近い”という伝承から、指輪を左手薬指につけることで「あなたの心をこの手に預けます」という意味が込められています。
2.永遠の輪としての象徴
指輪の形(円形)が「途切れない永遠」を象徴するのと同時に、左手薬指という特定の指に位置づけることで、その誓いが“形を持った象徴”となるのです。
3.宣言・共有の意味
薬指に指輪をしていることで、周囲にも「結婚している」「パートナーがいる」という無言のサインになります。特に欧米では、薬指の指輪が社会的な認識としても機能しています。
4.文化的な安心感・伝統の継承
「左手薬指につける」という習慣を守ることで、伝統や社会的な共通理解(“既婚者の証”)に準じる安心感が生まれます。
■ まとめにかえて
左手薬指に結婚指輪をつけるという慣習は、単なる習慣以上に“象徴的意味”を背負っています。
古代の伝承、「愛の血管」の物語、左手の薬指という手の動き・役割を考慮した実用性、そして西洋・日本双方で育まれた文化的な背景。
これらが重なり合って、今日私たちにとって「左手薬指は結婚の証」という感覚を自然なものとしています。
もちろん、右手に指輪をする文化も世界には数多く存在し、「どちらの手でも良い」という選択肢も増えています。
ただ、どちらの手にせよ「その指輪に込められた想いこそが大切」であることは、変わりません。
次章では、“右手につける文化”や左右の違いが生まれた事情を、さらに国別に見ていきましょう。
3. 右手につける国とその意味
結婚指輪を「右手の薬指」につける文化は、左手派と比べると少数ではありますが、ヨーロッパ東部・北部や中南米、インドなど複数の国・地域で根強く受け継がれています。ここでは、「なぜ右手なのか」「どんな国が右手派なのか」「右手につけることにはどんな意味があるのか」といった点を、文化・宗教・社会の視点から見ていきましょう。
■ 右手派が多い国・地域
調査によれば、東ヨーロッパや中欧、北欧の一部諸国では右手に結婚指輪をつける習慣が“主流”となっています。例えば、ドイツ・オーストリア・ポーランド・ロシア・ギリシャ・ブルガリア・ノルウェーなどが代表例です。
また、中南米のコロンビア・キューバ・ペルー・ベネズエラなどでも、伝統的に右手に指輪をつけるケースが報告されています。
さらにインドでは、左手を“礼拝・神聖”として用いる文化的な背景から、右手に結婚指輪をつけることも少なくありません。
■ なぜ「右手」が選ばれるのか?その背景
いくつかの理由・伝承が、「右手派」の文化を支えています:
-
宗教・正教会の影響
特に東方正教会の慣習では、右手につけることが「神の右手/力のある手」に近いという意味を持つとされ、指輪を右手に着けるのが伝統とされています。 -
「右=義」「右=誓い」の象徴
ラテン語で「右(dexter)」が「正しい」「誓いを立てる側の手」という意味を持っていたことも影響し、ヨーロッパの一部では「右薬指=誓い」「忠誠」「正義」を象徴する手として認識されてきました。 -
左手にまつわる信仰・慣習
一方で、左手が伝統的に“副手・補助的”あるいは“あまり使われない・清められない手”という認識を持つ文化もあり、そのため結婚の誓いを左手ではなく右手で行うという流れが生まれた国もあります。 -
儀式的な移行の慣習
また、一部の国では結婚式前後でつける手を変える慣習があります。例えば、結婚式前に右手へ/式のあとに左手へ移すというパターン。例えばブラジル・トルコなどがこのタイプ。
■ 右手に指輪をつける意味・象徴
-
誓いと結びつき
右手薬指に指輪をすることで「私たちは誓いを立てました」「この結びは誓いの下にある」というメッセージを伝える文化があります。 -
日常的な使いやすさ
右手を主要に使って生活する人が多い文化圏では、右手薬指につけることで「目立つ」「取りやすい」など実用的な利点もあります。 -
伝統と帰属意識
「右手に指輪をするのが伝統」だという文化圏では、左右どちらにつけるかを通じて“その社会・宗教に属している”という帰属意識も働きます。 -
左右の手の象徴的差異
左手薬指を使う文化が“心臓へ通じる血管”の伝承に基づいているのに対して、右手派は“誓いの手”“授ける手”といったアイデンティティを伴うことが少なくありません。
■ 右手派の文化的ポイント
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左手派の国々と比べて、右手派の国々は「宗教儀式」「社会規範」「伝統的価値観」が比較的強く影響しています。
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手を変える(右→左)という式典後の習慣がある国では、「婚約時」や「挙式前」「挙式当日」に左右を移すことで“婚約から結婚へ”というステップを象徴化しています。
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右手につけることが“個人の誓い”“相手への約束”という価値を強く持っているため、指輪自体のデザインや装着手の選択に意味を持たせているカップルも多いです。
■ まとめ
右手薬指に結婚指輪をつけることは、左手派とは異なる“誓い・誠実さ・伝統”といったイメージを根底に持つ文化です。国や宗教ごとに解釈は異なりますが、左右どちらにつけるかという選択そのものが「どんな誓いを立てたか」「どんな文化に根ざしているか」というメッセージを含んでいます。
だからこそ、指輪をつける“手”について知ることは、指輪そのもの以上にふたりの結びつきや文化の背景を理解するヒントになるのです。
次章では、「婚約指輪」「重ねづけ」「左右両手を使うスタイル」など、“指輪をつける手”以外のバリエーションを見ていきましょう。
第4章:エンゲージリング(婚約指輪)とのつけ方の違い

◾ 婚約指輪はどっちの手?
「婚約指輪(エンゲージリング)」と「結婚指輪(マリッジリング)」をどう使い分け、どちらの手にどの指輪をつけるか──これは国や文化によって実に多様な慣習があります。例えば、欧米の多くの国では婚約指輪は左手の薬指につけ、結婚指輪も同じ左手薬指に重ねづけする習慣があります。
しかしながら、ドイツ・ロシア・スペインなどでは婚約指輪と結婚指輪の手が異なる、あるいは婚約指輪を右手に、結婚指輪を左手にというパターンも見られます。
つまり、「婚約指輪=どちらの手」という【絶対的なルール】はなく、まずは「その国・地域」「そのカップルの意図」によって変わるということを知っておきましょう。
◾ 結婚指輪と重ねづけする場合の位置(上・下)
婚約指輪と結婚指輪を重ねて着用する場合、どちらを手前(心臓側)、どちらを外側にするかにも慣習と意味があります。
・欧米の一般的なスタイルでは、結婚指輪を「心臓に近い側(手首に近い側)につけ、その外側に婚約指輪を重ねることが多いです。
この配置には「結婚指輪が基盤=根幹であり、その上に婚約の誓いが重なる」という意味合いがあるとされます。
・一方で、婚約指輪を先につけ、その後に結婚指輪を重ねてその上にくるスタイルを選ぶ人もいます。婚約指輪が“プロポーズの証・記念”であり、結婚指輪が“挙式と共にスタートする絆”という位置づけを示す場合です。
・また、国により婚約指輪と結婚指輪を別の手に分けて着用する文化もあります。例えば、ある国では婚約指輪を右手に、結婚指輪を左手にというスタイルも確認されています。
◾ 海外では婚約指輪と結婚指輪を別の手につける国もある
欧米の中でも、特にヨーロッパの一部(ドイツ・オーストリアなど)では「婚約指輪を左手に/結婚指輪を右手に移す」「婚約指輪を右手につける」「結婚式で手を変える」など、複数のスタイルが見られます。ドイツでは婚約指輪を左手につけていたが、挙式時に右手の薬指に結婚指輪を装着するケースも一般的です。
こうした慣習には、宗教的な「右手=誓い・覚知・力」という象徴が影響しており、たとえば東方正教会では右手への着用が慣例化している地域もあります。
このように、婚約指輪と結婚指輪の手・指・順序に関しては「国・文化・宗教・時代」によって多様な選択肢があるため、どれが“正しい”というより「どんな意味を込めて」「どんなスタイルで」つけるかをふたりで相談することが大切です。
◾ 日本における傾向と注意点
日本では、婚約指輪、結婚指輪ともに左手の薬指というスタイルが一般的です。これは欧米文化の影響を受けて浸透したもので、左手薬指の「心臓に近い指」という象徴性が採用されたためです。
ただし、近年ではライフスタイルの変化により「右手につけたい」「仕事柄指輪を外す機会が多いため右手にする」といった例も増えています。また、婚約指輪を習慣として持たず、結婚指輪のみを作るカップルも増えており、「手・指・順序」について固定観念を持たない柔軟なスタイルが広がっています。
そのため、婚約指輪と結婚指輪をどうつけるか迷った際には、以下のようなポイントも参考になります:
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婚約指輪をすでにしている場合/していない場合
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どちらの手・指が生活上邪魔になりにくいか
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デザインとして重ねづけをする/別手にするか
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将来的にシンプルなスタイルを望むかどうか
◾ 手作り指輪という文脈で考えると
もしふたりで「手作り婚約指輪/手作り結婚指輪」を検討しているなら、この「手/指」の選択もデザイン段階で相談に入れたいポイントです。たとえば、婚約指輪を作るなら「左手薬指用」「重ねづけを考えた幅・厚み」「デザインの順序」など、使い方を想定しておくことで仕上がりの満足度も高まります。意外と薬指でも左右でサイズが結構変わっているという方も珍しくありません。
また、婚約指輪と結婚指輪を別手につけるという選択肢もデザイン設計時に反映できるため、工房での打ち合わせ時に「重ねづけ想定」「手/指の選択」「デザインの調整」を含めておくと安心です。
◾ まとめ
婚約指輪と結婚指輪の“手・指・順序”には、世界各地で様々な慣習があります。
・婚約指輪を左手薬指に/結婚指輪を重ねづけするスタイルが一般的な文化もあれば、
・婚約指輪を右手に/結婚指輪を左手にという国もある。
そして最も重要なのは、「どちらの手につけるか」そのものではなく、「その指輪に込めた想い」と「ふたりが納得してつけること」です。
これから婚約指輪・結婚指輪の手作りを検討される方は、手/指/順序を含めたスタイルまで、ぜひふたりで話し合い、楽しんでデザインに反映してみてください。
次章では、世界の“左右の違い”と併せて、「日本式以外のスタイル」への理解を深めていきます。
第5章:日本ではどうして左手が主流になったのか?
◾ 西洋文化から入ってきた「左手薬指=愛の証」
日本で「結婚指輪=左手薬指」という考え方が一般化したのは、実は明治時代以降のこと。西洋化が進む中で、キリスト教式の結婚式や洋装のウエディングスタイルが日本に広まり、それとともに「左手薬指につける結婚指輪」という習慣も輸入されました。
西洋では古代ローマ時代から「左手の薬指には“愛の静脈(Vena Amoris)”が通っており、心臓につながっている」と信じられていました。つまり、左手薬指は“心と心をつなぐ指”とされ、愛や永遠の誓いの象徴となったのです。
この考え方がキリスト教文化とともに広まり、やがて結婚式で指輪を交換し、左手薬指に着けるという形式がヨーロッパで定着。その文化が明治時代の日本に伝わったことで、現代まで続く「左手=結婚指輪」の慣習が形づくられました。
◾ 明治〜昭和初期:指輪文化の導入と定着
明治期、日本ではまだ婚約や結婚の証として「指輪を贈る」という習慣は一般的ではありませんでした。当時の結婚は家同士の結びつきであり、恋愛結婚も稀だったためです。しかし、上流階級や外交官、外国との交流を持つ層を中心に、欧米式の結婚式とともに“指輪交換”が広まっていきました。
特に、明治33年(1900年)に行われた皇太子(のちの大正天皇)と貞明皇后のご成婚において、洋装での式典や指輪の使用が注目されたことで、庶民のあいだにも「結婚=指輪」という意識が少しずつ芽生え始めたとされています。
昭和に入ると、戦後の欧米文化の影響とともにウエディング産業が拡大。雑誌や映画などを通じて“結婚指輪は左手薬指に”というイメージが全国に浸透していきました。
◾ 「左手薬指」の象徴と意味
左手薬指に指輪を着ける理由には、いくつかの象徴的な意味があります。
-
「心臓に近い手」
愛情や命の中心である心臓に最も近いとされ、永遠の愛・絆を象徴する。 -
「神聖な誓いの手」
西洋では右手が「権力」や「誓約」を意味し、左手は「心」や「感情」を司る手と考えられてきました。したがって、左手に結婚指輪を着けることは“愛を誓う行為”そのものを示します。 -
「日常生活との調和」
日本人にとって右利きが多数であるため、左手につけることで作業や生活の妨げになりにくいという実用的な理由もあります。
このように、宗教的・象徴的な背景だけでなく、日常生活とのバランスの良さも、左手文化が定着した一因といえます。
◾ 現代の多様化:「左手薬指だけじゃない」選択肢
とはいえ、近年の日本では「左手薬指=絶対」という価値観は徐々に変わりつつあります。ブライダル関連企業の調査によると、結婚指輪の着用スタイルにおいて「右手につける」「職場では外す」「ペンダントなどにして身につける」といった回答も増加傾向にあります。
その理由はさまざまです。
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仕事上の制約(医療・飲食・製造業など)で、指輪を外す機会が多い。
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デザインやファッション性を重視して、利き手やバランスに合わせて右手を選ぶ。
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宗教的・スピリチュアルな考え方として「右手=守る」「左手=受け取る」との意味づけを意識する人も。
◾ 手作り指輪という観点から
「ふたりで作る結婚指輪」の人気が高まっている今、左手薬指に限定しないデザインや着け方の自由度が広がっています。例えば、
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普段は右手に、特別な日だけ左手に着ける。
-
お互いが異なる手につけて“ペアの対称性”を表現する。
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将来サイズが変わったときに、左右で付け替えられるよう設計する。
といった柔軟なスタイルが増えてきました。
工房での制作では、デザイン相談の段階で「どちらの手に着けたいか」「重ねづけを想定するか」などを伝えておくことで、より理想に近い仕上がりになります。とくに、手づくり指輪はふたりの思いを形にするものだからこそ、「どの手につけるか」も大切なストーリーの一部になるのです。
◾ まとめ
日本で「左手薬指」が結婚指輪の定位置となったのは、明治時代以降に西洋文化を取り入れた結果でした。
左手薬指は“愛の静脈”が通う指と信じられ、永遠の絆の象徴として定着。心臓に近い場所に愛を宿すというロマンティックな意味づけが、多くの人の心をつかみました。
しかし現代では、「右手でもいい」「外してもいい」「ペンダントとして身につける」など、スタイルはどんどん自由に。大切なのは“どの手につけるか”ではなく、“どんな想いを込めるか”。
ふたりの絆を象徴する結婚指輪、そのつけ方にこそ、これからの時代の「新しい愛のかたち」が現れているのかもしれません。
6. 左右どちらでもOK!自分たちらしい選び方
ここまで結婚指輪をどちらの手につけるかについてお話してきましたが――それはもう、決まり切ったルールではなくなりつつあります。「左手薬指が常識」「右手に着けるのは珍しい」なんていわれてはおりますが、今ではライフスタイルや好みに合わせて自由に選ぶカップルが増えてきました。ここでは「左右どちらでも良い」という視点から、手・指の選び方を自分たちらしく決めるためのポイントを解説します。
◾ 利き手・職業・日常の動きで考える
普段どの手をよく使っているか、職業上どちらの手が作業しやすいかという点は、指輪をつける手を選ぶ上で非常に実用的です。
たとえば、料理人・パティシエ・美容師・看護師・介護士・製造業など、右手を頻繁に使う仕事であれば、左手につけると作業の邪魔になりにくいという理由から左手を選ぶことが多いです。逆に、左利きだったり、右手に指輪をつけたほうが “ペアリングとして見た目が揃う” と感じるなら、右手につける選択肢も十分ありです。
また、結婚指輪に日常的に身につけることを想定するなら、利き手とは反対の手=“動きの少ない手” に着けることで、指輪そのものの傷つきやすさも軽減できます。これは素材にこだわる手作り指輪だからこそ、仕上げを長くきれいに保つための賢い視点です。
◾ ファッション・ペアリングの見た目で決める
左右どちらに指輪をつけるかは、ファッションや二人のペア感を大切にする上でも考える価値があります。
・他のアクセサリー(腕時計・ブレスレット・バングル)とのバランスを考えたい→右手・左手どちらがすっきり見えるか
・重ねづけを考えている→婚約指輪+結婚指輪をどちらの手・順番で重ねるかも左右によって印象が変わります(例:左手に両方重ねる/右手と左手に別々に着ける)
こうした観点から、デザイン段階で「左右どちらかに着けたい」または「どちらでもいける設計」にしておくことがおすすめです。手作り指輪の打ち合わせ時に「左右どちらに着けるか」「その手で重ねづけするか」「ペア感をどう演出するか」を伝えることで、仕上がり後の満足度がぐっと高まります。
◾ ルールよりも「込める想い」が大切
文化や国によっては「右手=伝統」「左手=心臓に近いから」という意味づけがなされてきました。しかし、最終的に大切なのは「どっちにつけたか」よりも「その指輪につけた想い」です。
ふたりで手作りした指輪なら、 „どの手にするか“ もまた二人だけのストーリーにできます。例えば、「普段右手が忙しいから左手に」「仕事柄アクセサリーをあまり見せたくないから右手に」など、生活背景を共有しつつ選ぶことで、指輪を見るたびにその選択そのものを思い出すことができます。
また、将来的に手を変える可能性があるなら、デザインをどちらの手でも違和感なく着けられるように仕上げておくのも一つの方法です。手づくり指輪ならではの「形の自由度」を活かして、左右どちらでも美しく映えるデザイン設計を相談しましょう。
◾ 自分たちのライフスタイルに合わせて選ぼう
最後に、左右どちらに着けるかを決める際のチェックポイントを整理します:
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利き手・仕事・日常動作から「どちらの手が作業に影響しにくいか」
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今お持ちのファッション・アクセサリーとのバランスで「どちらの手が見映えが良いか」
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そしてなにより、「なぜその手にしたいのか」「その選択にどんな想いを込めるか」
手作りで指輪を作るなら、この選択もまた “ふたりの物語” に加わる大事なパートです。左右どちらでも、どちらにしても――それがふたりにとって納得できる選び方なら、それが“正解”です。
◾ 左右どちらでも着けやすいデザイン
指輪のデザインは左右対称のものが多いですが中には非対称のデザインもあります。
例えば

こちらのデザインは指輪に右上がりに斜めに走るディテールが施されております。
人の手は多くの場合、小指側が低く中指輪側が高いです。
なのでこちらの指輪を左手の薬指に着けると自然と手の形状に合わせて右上がりのディテールが映えるのです。
ふたりで相談しながら「この手につけたい」「こういう理由があるからこっちにしよう」という決定を共有する時間。それ自体が、指輪をただの装飾品以上の “記念品” にしてくれます。
左右どちらにつけるか――迷ったら、どうかルールではなく「自分たちらしさ」を基準に。指輪を通じて、ふたりだけのストーリーを手のひらに刻んでください。
第7章:指輪は“手”よりも“心”でつけるもの
指輪をどちらの手に、どの指に着けるかの慣習は、国や文化、時代によって異なります。例えば、ある国では「右手の薬指」が伝統だし、別の国では「左手」が当然というところもあります。
ですが、最も大切なのは“どの手に着けるか”ではなく、「その指輪にどんな想いを込めているか」ということです。
あなたとパートナーが選び、手作りした指輪なら――それ自体がふたりの物語の始まり。
形も素材も、刻印もデザインも“世界でひとつ”であり、出来上がった瞬間からふたりらしい証になります。そんな特別な指輪だからこそ、「左右どちらの手にも似合うように作れる」という自由さもあります。デザインや仕上げの段階で「どちらの手につけても違和感ない」よう相談しておけば、将来ライフスタイルが変わったときにも安心です。
さらに、指輪を見るたびにその日のこと、体験のときの笑顔、ふたりで話したこと、そして「これから」の約束を思い出せるって素敵やと思うんです。過去だけでなく未来に向かって続く“つながり”を象徴してくれるのが、手作り指輪の魅力です。
だからこそ、左手か右手かで迷ったときはこう考えましょう――
「どっちの手に着けたら毎日わくわくできるか」「仕事や生活の中で邪魔にならず、でも外すたびにふと指輪を見ることで“お互い”を思い出せるか」。その基準で選べば、たとえ伝統的なルールから外れていたとしても、それは“正解”になるんです。
最後に、こう言いたいです。
指輪は、まさに“手”でつけるものではなく、“心”で感じるもの。ふたりで手を取り合って歩んできた道、これから一緒に描いていく未来、その全部を指輪に込めて。
どちらの手でも、自信をもって、誇らしく。自分たちらしいスタイルで、ずっとずっと愛せる指輪を。
この指輪が、ふたりの“絆の証”として、日々の暮らしの中で静かに、そして力強く輝きますように。
ついぶ東京工房
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-6-11 ヴィラ・ハセ 3F
TEL: 03-3407-7397
URL:https://tsuibutokyo.com/
ACCESS: JR山手線原宿駅表参道口から徒歩5分
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