手彫りについてのお話
今日は手彫りについてのお話をいたします。
一般的に金属に彫刻する方法には、「機械彫刻」、「レーザー彫刻」、「手彫り」の3つにおおまかに分けることができます。
「ついぶ」では京都で江戸中期より代々受け継がれ、培われてきた伝統的な彫金技術を駆使した「手彫り」を得意としています。(機械彫刻やレーザー彫刻も承っていますが。)
では手彫りをするためにはどのような道具を使って作業していくのか?
下の写真がその道具です。
小さな鑿(のみ)のような道具が「鏨(たがね)」といって、自分達で先端を様々な形状に加工しています。
仕事の内容によってその都度加工するので、100本以上は持ち合わせがあります。
その鏨を小さな金鎚でコンコン叩いて、金属を彫刻していくのが、伝統的な手彫りの技法です。
その技術も極めていくと、、、
このように筆で描いたかのような、もしくは筆で描くよりも立体的で存在感のある作品が制作できるようになります。(ちなみにこれは、京都本店の我らが鎚舞先生による伊藤若冲の鳳凰の模刻です。)
また、指輪への手彫りも伝統的な手彫り技術の応用です。プレーンな指輪にも彫りが入ることで、また違った表情になります。
手彫りは機械やレーザーでは表現できない芸術的な模様を作り出せることができますが、年々その技術者も減っていっているのが残念でなりません。
ついぶでは、お客様に制作していただいた指輪やアクセサリーへの手彫り、スクールでの技術指導などを通して、日本文化独自の素晴らしい技術や表現を発信していければと思っております。
芳田