お客様の声
結婚指輪
1本の棒から作る、プラチナの手作り結婚指輪
お客様の声
制作風景
今回、ご紹介する手作り結婚指輪はプラチナ素材の結婚指輪です。
よく結婚指輪や婚約指輪にはプラチナ素材が多く使われますよね?
ひとつにプラチナと言っても様々な純度のプラチナがございます。ついぶ東京工房でご用意しているのはPt900と言う純度のプラチナです。この表記は90%がプラチナ、残り10%が別の金属を配合してできていることを意味します。
ここでひとつ疑問が・・・。『純度が100%の方がいいんじゃないの??』(Pt1000という表記になります)と思う方も多くいらっしゃると思います。
しかし!?Pt1000が使われないのにはちゃんとした理由があります!
本来、プラチナは柔らかく、粘りがあるのが特徴の金属なんです。そのため純度100%(Pt1000)のプラチナはあまり宝飾品には向いていません。しかも、皆さんがイメージするプラチナよりも黒みがかった白色が本来の色味になります。
より白さをだすためにはパラジウムという金属を配合します。その配合されたプラチナは、多くの皆さんがイメージするプラチナの色味になります。
さらについぶ東京工房ではより硬さがあるハードプラチナをご用意しています。バラジウム以外にルテニウムと言う金属を少量配合することで硬さのある丈夫な金属になります。
一生共にする指輪だからこそ、素材にもこだわりを持つのもいいですよね!
手作りだからと言って、品質が劣る材料は使用していることはございませんのでご安心ください!
それではそんなプラチナを使った手作り結婚指輪の制作をスタートしていきましょう(*^^*)!
こちらがプラチナになります。
お二人とも同じ幅をご希望された場合、1本の長いプラチナの棒から2本分を切出していきます。
『ひとつからふたつへ』ひとつのものをシェアしていくような意味合いも込めて、スタッフがその場で材料をご用意致します。
プラチナの塊からローラーと言う圧延機を使って、お客様の希望の幅や長さに伸ばしていきます。材料の長さは希望の号数によって異なります。長さが1㎜変わってしまうと号数が1号変わってしまうので、長さの切り出しはとても重要な部分になります。
それでは最初の作業です。ガスバーナーを使って、材料を熱する”焼きなまし”を行います。
ガスの量や送り込む空気の量を調整して、火力が強い青い炎でプラチナを熱していきます。
材料によって、この火力は調整していきます。プラチナはとても熱に強い材料です。
その融点(プラチナが液状に溶ける温度)は1,700℃以上と他の素材よりも格段に高くなります!
いちをこのガスバーナーの火力ではプラチナを溶かすことはできないので、心配せずにしっかりと熱してくださいね(*^^*)
焼きなましをすることでプラチナは柔らかく変化し、加工しやすい状態になります。
全体をしっかりと熱していくと、画像のように真っ赤に色が変わっていきます。
この時の温度は約1,000℃近くまで熱せられている状態です!普段では味わうことが出来ない体験ですのでお客様の携帯などで写真や動画に記録してくださいね!
熱したプラチナは水に入れ、急冷していきます。1,000℃近くまで熱せられているので、水に入れるときにはジュッと激しく音をたてます。スタッフは慣れていますが、お客様は少しビックリするかもしれませんね。
それでは曲げ作業へと進みます。
ヤットコと言うペンチの様な工具を使って、真っ直ぐなプラチナを曲げていきます。
端から徐々に曲げていき、棒材の両端がピタッと段差なく、隙間なく合わせていきます。
ついつい綺麗な丸を作らなきゃいけないと思うかもしれませんが、そうではありません!この段階の形はどんなに歪でも大丈夫です!三角形や楕円になっても端同士を合わせることがこの作業の一番重要なポイントなんです!
この曲げ作業・・・、指輪の号数が小さいほど難易度があがります。小さな号数になると用意する材料の長さももちろん短くなります。短い材料の端を合わせるには、より強く曲げる必要があり、尚且つヤットコとでつかめる部分も少なくなるのでとても難しいのです( ;∀;)
次は溶接です。合わさったプラチナ材料の端をロウ材と言う金属片を溶かして、くっ付けていきます。
ロウ材とは簡単に言えば、金属の接着剤です。プラチナよりも早い温度で溶けるように配合されており、その溶けたロウ材が合わさった隙間に流れ込むことで繋げていきます。
プラチナの側面に小さな金属片が見えますか?これがロウ材です。こんなに小さなロウ材で十分に溶接することが出来ます!
先程の焼きなまし同様にプラチナが真っ赤になるよう火の操作はお客様に行ってもらいます!プラチナから火が離れないようにしっかりと狙ってくださいね(*^^*)
作業中、よぉくロウ材をみていると溶けて流れ込む瞬間が見れます!体験した人のみが見れる箇所なので、多くの皆さんに体験していただきたいですね!!
それでは次の工程へ。
芯金(鉄の棒)と木槌を使って、形を整えていきます。曲げ作業でどんなに歪でも成形作業で形は整います!
作業内容は芯金に溶接したプラチナの指輪をはめ込みます。丸くなく歪な箇所には芯金と指輪の間に隙間ができます。その部分をよぉく狙って木槌で叩いていきます。
また形を整える以外にこの作業には重要なことがあります!それは叩くことで金属がしまり硬くなっていくんです!丈夫な指輪にするためにもしっかりと叩いてくださいね!
叩きながら、芯金を上から下からと覗きこみ、隙間から光が差し込んでいないかを確認してみてください。光が差し込まなければ、隙間が完全に埋まっている証拠です!
芯金と指輪の間に隙間が無くなれば・・・!?
画像のように綺麗なまん丸の指輪になります(*^^*)!ここまでくると少し達成感がでてきますね!
まだこの段階では、指輪の真ん中に黒い点や線のようなものが見えています。この部分が溶接した箇所です。まだまだ粗い状態ですので次の工程からどんどん綺麗にしていきましょう!
今回、お二人が希望した形は平打ち型。ヤスリを使って、表面の溶接箇所や大きなキズを削り、平らに整えていきます。
削る際はスリ板に指輪を固定して、ヤスリを当てていきます。簡単そうに見えるこの作業も意外にやってみると難しく感じるかと。
・小さな指輪をしっかりと支えること
・指輪に対して、ヤスリが斜めにならないこと
・削ってボコボコにならないように、指輪は回しながら削ること
・ヤスリで削る力は入れ過ぎないこと
などなど、実は難しい工程のひとつです。
ゆっくりと丁寧に進めていいきましょう!
ヤスリで形を整え、大きなキズも取り除いた後は、紙ヤスリを使って磨きをかけていきます。
粗目の番数からか細かい目の番数へと段階をふんで磨いていきます。
今回の平打ち型は磨く箇所が多い指輪になります。指輪の表面、側面、内側とすべてに紙ヤスリを丁寧に当てていきます。
とても地味で根気がいる作業ですが、ここを頑張れば最後にはピカピカの結婚指輪が・・・!?あともう少し、完成をイメージしながら進めてみてください(*^^*)!
最後はツヤ出し作業で、指輪に光沢を出していきます。
液状の研磨材を布に付着させて、指輪全体に擦り着けていきます。磨き作業でだいぶ指に疲れがきているかと思いますが、最後も力を入れて磨きましょう!特に指輪の内側は布で擦り付けるのが大変なのでより入念に行うといいですよ!
全体にしっかりと研磨材がなじんだら綺麗な布で研磨材を拭き取っていきます。
果たしてその完成は・・・!?
お疲れ様です!
ピカピカに仕上がった、プラチナの手作り結婚指輪が完成しました(*^^*)!
ついぶ東京工房では撮影用のイニシャル什器やボードなど撮影用の什器をたくさんご用意しています!制作中から完成までたくさんを想い出を記録してくださいね(*^^*)!
ちなみに什器のほとんどはスタッフの手作りですよ!
完成した指輪の内側にはお二人が希望したメッセージをスタッフが刻印を致しました。アルファベット・数字であれば、その場でお入れして当日お渡しができます!
1本の棒からお二人で作り上げた、大切な手作り結婚指輪と共に末永くお幸せに。
ご来店ありがとうございました。