今回ご紹介するお客様は、シンプルリングコースでご制作されたお二人です。

まずはどんな指輪のデザインにしていくかご制作の前にヒアリングした際、ミルグレインのご結婚指輪に興味を持たれていたお二人。ミルグレインとはラテン語で直訳すると千の粒という意味なのですが、その小さな粒が続く様子から「長寿」や「永遠」「子孫繁栄」など大変縁起の良い意味合いが込められています。

そんな結婚指輪にピッタリなミルグレインをお入れした、お二人の指輪が出来るまでの体験風景をご紹介いたします！

プラチナの凛とした佇まいに魅せられて

ご希望の幅と号数に合わせて形を整えて、お二人の指輪の材料をご用意いたしました。まずは材料と共に記念撮影を♪

今回お二人が結婚指輪の素材に選んだのはプラチナ。深みのある落ち着いたシルバーカラーがお二人とも好みだったそうでお揃いの素材に決まりました。プラチナは耐久性に優れていることや変色を起こしづらい安定した金属であることから、長く使う結婚指輪の素材選びとして大変親しまれています。

バーナーで真っ赤になるまで熱していきます！

指輪作りは材料を火に当てて柔らかくしていくところから始まります。

体験の様子を動画に撮りつつ、プラチナの色味の変化にお二人共興味津々でいらっしゃいましたね。写真のように、こんなに真っ赤になってもプラチナは溶けることはございませんのでどうぞ安心なさってください。

様々な道具を使って指輪を完成を目指します

材料に火を当てることで加工がしやすくなりましたので、ここからは道具を使って曲げていく作業へと取り掛かります。「やっとこ」と呼ばれる道具を使い、材料の端から少しづつ曲げていきアルファベットのDの形を目指していただきます！

奥様のご様子を見守る旦那様。お二人共指輪の手作り体験は初めてだそうで、体験後すべての作業がとても新鮮だったと感想を話されていました。指輪作りを通じて普段なかなか見ることのないお相手の真剣な表情も見ることが出来たのではないでしょうか？

そして材料の方は…お二人共とっても上手に曲げられていますね！端っこ同士まだ離れているところをこの後微調整してから、次は溶接作業に入ります。

棒が輪っかになる瞬間

再びガスバーナーを両手にもって、今度は先程の材料の端っこ同士を溶接する作業へ。先程よりもより鋭い炎で指輪を熱して、その熱で金属の接着剤を僅かな隙間に流し込んで溶接します。

実はよ～く見ているとこの作業、接着剤がきらりと隙間に流れ込んでいく様子を見ることが出来ますよ。お二人も目を凝らしながら真剣に作業されていらっしゃいました。

工程を重ねてだんだんと指輪らしい形へ

材料がしっかりと輪っかの形になりましたので、ここからは指輪を叩いて綺麗な丸の形を目指します。指輪の形を整えるために使うのが、木槌と芯金（しんがね）と呼ばれる鉄でできた棒の二つの道具。芯金自体が真ん丸の形をしているので、芯金に指輪をはめ込んだ時に隙間が空いている部分を木槌を使って叩いていきます。

旦那様の木槌を思い切り振る動作から、写真からだけでもおもわず躍動感が伝わってきますね。

後半はコツコツと磨き作業の積み重ね

お二人で指輪の状態をくまなくチェック。スタートの状態と見比べると、だいぶ指輪らしい綺麗な形になってきましたね！

そして指輪が真ん丸の形になりましたので、ここからは表面についた細かな傷や汚れをスポンジ状のヤスリを使って磨いていきます。今回お二人が作られている指輪は甲丸という緩やかなカーブ状のデザインの指輪ですので、丸いラインが崩れないように全体を均等に磨いていく必要があります。

完成まであと少しです！

指輪の外側だけでなく、内側も同様に磨きの作業を進めていきます。

指輪の表面を綺麗にするのも勿論大切ですが…内側はなんといっても着け心地を左右しますので、実はとっても重要なところ。また指輪の内側の刻印が美しく見えるかどうかも、内側の磨き具合によって変わってきますので手を抜かないよう。

旦那様の手の間からチラリと除く指輪の内側。鏡のようにピカピカと綺麗に輝いていますね！完成まで、あと少しです。

お二人共、大変お疲れ様でした

長い時間にわたるご制作、お疲れ様でした！

沢山の作業を体験していただき大変な工程もあったかと思いますが「もっとやりたいくらいです」と、笑ってお帰り頂いた二人の笑顔がとても印象的でした。お二人が作りだした甲丸の指輪に職人が織りなすミルグレインの装飾が調和した、世界に一つだけのご結婚指輪になりましたね。

この度はご来店誠にありがとうございました。どうか末永くお幸せに。