お客様の声
結婚指輪
模様ひとつひとつが思い出の証に。槌目の手作り結婚指輪

お客様の声
制作風景
今回ご紹介していくのは、シンプルリングコースで、槌目のデザインをとりいれた結婚指輪をご制作された夫婦です。
お二人は、「思い出作りのために手作りの結婚指輪をご検討していた」とお話ししてくださいました。
手作り結婚指輪は、手ずからつくったという付加価値や、指輪をみるたびに制作した日が頭の中でよみがえるようなそんな思い出が魅力になります。
今回お二人が作っていく指輪もよい思い出の品になるようにサポートさせていただきました。
色味も幅も自分好みに
指輪を制作していくにあたって、まずは素材と幅と形を選びます。
お二人の好みははっきりとしており、旦那様はイエローゴールド、奥様はピンクゴールドをお選びに。幅も選択してもらい順調に、制作していく指輪像が浮かび上がってきます。そんなお二人が一番迷っている様子だったのが、形でした。
今回制作してくのは、指輪の表面にお二人自身の手で模様を入れていくデザインのもの。その土台となる、指輪も選べます。
指にフィットするような表面が丸みの帯びた指輪か。それとも、シャープな印象を与えてくれる表面が平たい指輪か。
悩んだ末、お二人が選んだのは丸みのある指輪。
こうして作る指輪の情報がまとまったら、次は制作スタートとなります。
交換して作り合うのも良い思い出に。
今回の制作ではお二人はお互いの指輪を作り合うことに。初めての手作り体験で緊張の中、最初に行う作業は火を扱っていく作業。
まずは火を使い、棒の状態の素材を温めて柔らかくしていく加工を体験してもらいました。
金属の素材ごと性質があり温めすぎると溶けてしまうこともあるため、慎重にバーナーをもって作業を行います。同じ場所を当てすぎないように、ゆっくりと移動しつつ金属全体を温めるのがポイントです。
工具で材料を曲げていきましょう
材料を柔らかくしていきましたら、今度は輪っかの形に曲げます。ここでは完全な丸を作っていく必要はなく、端同士を向かい合わせにするような形を目指して作業を行います。
温めて柔らかくしたといっても、金属。思い通りに曲げるのにも一苦労なほどに硬くて頑丈で、難しい作業となっております。お二人も材料の硬さと闘いながら、目標の形へと材料をまげられておりました。お二人とも、お疲れ様です!
くっつけて、丸める
今度は、曲げた指輪の材料の端同士をくっつけていきます。
端と端のつなぎ目の隙間にロウ材と呼ばれる金属の欠片を火で溶かして流し込み、溶接します。
火を当てるとだんだんと材料が赤くなってきて、温まり、特定の温度まで上がると…ロウ材がジュワっと溶けてつなぎ目を接着してくれます。
溶接が完了したら、叩いて形を整えます。使ってくのは、芯金棒(しんがねぼう)と木槌(きづち)。棒に入れたときの隙間がなくなるまで、叩いていきます。
てきぱきと真剣な表情で指輪と向かい合い、制作されていましたね。
せっかくなので、道具を持った状態でのお写真も撮らせていただきました。
指輪の表側の磨き
模様を表側に打っていく前に下処理を済ませます。完成した指輪がより一層輝くようにしっかりと磨いていきます。
スポンジ型のヤスリで力強く、端から端を当てるように意識して当てていきます。
最初は火を当てた後で酸化してしまい表面が黒くなっていた指輪が、スポンジを当てていくことによって徐々に素材の色を覗かせてくれます。綺麗になっていくところを見るとやりがいが生まれますねよね。
あっという間に指輪は完成に近い、イエローゴールドとピンクゴールドの色味に。
揃うタイミング、弾む音
表側が磨けたら次は今回の指輪の一番のポイント、模様付けを始めます。
木槌を金槌に持ち替えて、先ほどの芯金棒を使って指輪の表面に模様をつけていきます。
叩くたびに工房内に響く音に耳を澄ますと、
カン、カン…トン、トン…
音が二重に聞こえてくるんです。よく見れば金槌を振り下ろす動きがシンクロ。
そんなふうに、模様を刻む音のタイミングがばっちり合いすぎて、お二人で思わず笑ってしまう場面も。
内側もつるりと綺麗に
内側も忘れずに磨いていきます。指なじみがよくなるように紙やすりを使い分けて、丁寧に磨いていきます。
この作業は普段使わない手や指の力を使うので、手が疲れてしまう方も多くいらっしゃいます。無理せず、休憩しながらラストスパートも頑張っていきましょう!
ヤスリをかけ終えたら、金属の棒で優しく指輪の内側をこすってあげるとキラッと一気に光ってくれます。金属の光沢でお顔も映り込むくらいに綺麗になりましたね。
ここまできたら、内側のみならず全体をより一層魅力的な輝きを持てるように研磨剤で磨きます。研磨剤をしっかり塗り込み、その油分を拭き取ってあげれば…
ご制作、お疲れ様でございました!
指輪の制作が完成しました!お二人とも、長時間のご制作お疲れさまでした!
指にはめてみると、槌目模様がいろんな角度から光を取り入れて、お二人の手元に輝きを届けている印象を受けます。
もともとは当日お持ちかえりする予定でしたが、奥様の指輪にダイヤモンドを留めてより華やかにするということで、指輪はこのままお預かりいたしまして工房内の職人が石を留めてからお二人にお渡しいたしました。
模様ひとつひとつが指輪を輝かせ、一等素敵なご結婚指輪になりましたね。
今回作られた指輪とともにお二人で歩んで行かれる未来のひとつひとつも、笑顔を生むような輝く将来になることを祈っております。
この度はご来店誠にありがとうございました。