今回ご紹介するのは、シンプルリングコースで結婚指輪をご制作されたお二人です。プラチナとピンクゴールドと、ご夫婦で別々の金属をご制作されたお二人ですが、デザインはお揃いの甲丸槌目（こうまるつちめ）をセレクト。それぞれの手にしっくりとくるカラーリングを選びつつ、統一感のある佇まいのご結婚指輪となりましたね。

お二人の結婚指輪作り、スタートです

まずは指輪の材料を手にもって、ハイ チーズ ♪指輪作りのスタートは、丸い輪っかの状態ではなく、真っすぐな棒の状態から始まります。

ガスバーナーを使った本格的な作業

ガスバーナーを使い、「焼きなまし」という作業を行います。旦那様の選んだ材料は、熱に非常に強い素材でもあるプラチナ。写真のように真っ赤になるまで熱し続けても溶けたりすることはありません。

焼きなまし作業が終わり、ここからは材料を輪っかの形に曲げていく作業をやっていきます。「ヤットコ」というペンチのような形状の道具を使って、少しづつ棒状から輪の形を作って頂きました。

お二人共材料の硬さに戸惑いながらも、頑張って作業されていらっしゃいましたね！写真のように、指輪は今の時点では少し歪なおにぎり型に。この時点では真ん丸の形ではなく、むしろこういった少し楕円状の形になっていればバッチリですので、お二人ともしっかりとよく曲げられています！

再びガスバーナーを使って。溶接の作業

再びガスバーナーを手に持ち、今度は指輪を綺麗に溶接していきます！ロウ材と呼ばれる金属の接着剤のようなものを用いて、材料の隙間にサッと流し込んでいきます。

こちらが溶接を終えたばかりのお二人の指輪。こちらで火を使った作業は終了となります、お二人ともドキドキの作業でしたね。大変お疲れ様でした♪

工房に軽快なリズムが鳴り響きます！

しっかりと端っこ同士をくっつけたお二人の結婚指輪。ここからは別の道具を使って指輪をトントンカンカン♪叩いて歪な形を綺麗な真ん丸に整えていきます。

作業をスタートする前に、お二人で道具を構えて記念撮影をパチリ。お二人のワクワクとした楽し気な雰囲気がお写真からも伝わってきますね。

指輪を叩くこの作業は、「真円出し」と呼ばれています。名前の通り”真”丸の”円”を目指していく作業となるのですが、ただ形を丸く整えるだけでなく指輪自体の強度をあげる効果もあり、実はとっても大切なパート。お二人ともお互いの様子を確認しあいながら集中して指輪を叩かれていらっしゃいましたね！

真円出しが終わったお二人の指輪。先程よりもぐっと完成に近づきましたね！

目指すのは、美しいピカピカの指輪

ここからは模様付けの前にヤスリを使って指輪の表面や内側を綺麗に磨き上げていく作業に取り掛かります。写真は「スポンジヤスリ」と言って弾力のある、まさにスポンジのような形状のヤスリで指輪の表面をゴシゴシと磨いているところ。表面についた汚れや細かな傷も見落とすことなくしっかりと取り除いていきます。

ご覧ください！どんどん指輪が綺麗になっていっているのがわかりますね。特に奥様が選んだピンクゴールドは、表面に真っ黒な酸化被膜がついていた分、こうしてヤスリを当ててあげると一気にピンクの華やかなお色味が見えてきて見違えますね◎

二人で作る、世界に一つだけの模様

綺麗に磨いたお二人の指輪に、いよいよ槌目模様を付けていきます。どんな模様になるのかドキドキですね。お二人ともスタッフの説明を真剣に聞きながら、少しづつ槌目の模様を重ねていきます…！

「どんな風に模様入っている？」とお二人でお互いの指輪を見合いながら、少しづつお二人だけの指輪が形になっていきます。金槌のあたる角度や打ち込む強さによってもテクスチャーのニュアンスが異なってくるのが槌目模様のおもしろいところ。しっかり強く打ち込んだところやコンコンコンとやや慎重に叩いたところ、指輪の中でも微妙に強弱の効いた素敵なテクスチャーになりましたね。

研磨剤を使った仕上げの作業！

指輪の外側・内側を共に磨ききって、最後はいよいよ仕上げの作業へ。研磨剤をたっぷりと染み込ませた布を指輪に塗り込み、綺麗に拭いていきます！お二人でお互いの指輪をしっかりとチェック。いったいどんな仕上がりになっているのでしょうか…！？

長い時間に渡る作業、お疲れ様でした！

お二人だけの、手作り結婚指輪の完成です！槌目のデザインは成形、磨きの他に模様付けやサイズ調整など、一日の体験時間の中で沢山の作業を行っていただきました。沢山の工程を積み重ねて完成させた結婚指輪は、お二人にとってより大切で特別なものとなったのではないでしょうか？

完成したばかりの指輪を左手の薬指に着けて、パチリ◎お二人の穏やかな雰囲気にピッタリの、キラキラと優しく輝く優しい佇まいの結婚指輪となりました。

この度はご来店誠にありがとうございました。どうかいつまでも、お幸せに。